飲食店経験は商売としてどうなのか?【とあるAさんのケース】

商売

こんにちは、砂肝産業Mr.Tです。

皆さんは飲食店を自分で開業した経験、ありますか?

実は僕は一度、定食屋兼居酒屋みたいなお店を運営していたことがあります。

その地域は某県の田舎のリゾート地と言った感じで、

住民は数百人しかいないようなところなのですが

リゾート地でシーズンは込み合うこともあったことに加え

夜間営業する飲食店が一軒もなかったところで

試しにどの程度やれるのか、実践してみたんですよね。

ちなみにそこでの結果はというと

まぁ生活する程度の収入にはなるのかな?

といった具合でしたが、人を雇わない前提でのことなので

当時の忙しかった自分に兼業は出来ないと

1年くらいですぐに閉店することにしました。

その経験から僕が感じたのは、

「飲食店運営に割く時間を他の仕事に充てた方が稼げる」ということ。

もうそのままなのですが

実際に働く時間や投資金額を考慮すると

あまりコスパが良いとは言えないのが飲食店経営。

実際のところは、どうなのでしょうか?

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15年飲食店を続けたことのあるAさんの話

今回、夫婦で飲食店を15年務めたAさん(奥さんの方)に文章をまとめてもらいましたので

まずはそれを読んでいただければと思います。

Aさんが飲食店を開業したキッカケ

そもそも、飲食店を自営業でやることにきっかけは

飲食店勤務をしていた主人の独立願望を叶えるためでした。

その頃の私は飲食業はまったくの素人だったため、後々サポートできるように、

と飲食店勤務でのパートを始め、

子供が保育園に入るタイミングで、私もお店のサポートに入りました。

主人は料理こそそれなりに出来たものの、

普通の、そこらへんにいる調理師といった程度のレベルだと思います。

開業にあたって

開業するにあたり、最初は店舗付き住宅を探しました。

店舗と自宅の家賃の両方を払っていくのは大変だと考えたからです。

ですが、なかなか思うような物件に出会えず、

結局は古い空き店舗を改装して、開業することとなりました。

異業種が使用していた店舗を居酒屋用に改装しましたので

開業資金には500万円ほど借り入れをしました。

内装も、費用を抑えるためにできるところは自分たちで行ったのですが

それでも飲食店の居ぬきなどでない限り、

このくらいはかかってくると思います。

順調だった頃

開業すぐのころ、私は育児をしていたので、バイトを数人雇っての営業でした。

ディナーだけだったのが、そのうちランチタイムも営業することとなりましたので、

人件費がバカにならないと、ランチは夫婦二人で切り盛りすることに。

その頃が一番良かった時期でした。

その頃のビジネス街は活気もあり、

周辺のビジネスマンたちがランチに通う店リストに入れていただけたこともあり、昼は盛況。

夜もお昼のお客様の仕事終わりのいっぱいのお店や宴会にも使っていただき、

生活していける程度には儲かっていました。

陰りが見えた頃

順調だった頃が数年続き、昼も夜もそれぞれ常連といえるお客様もいましたが、

ビジネス街には転勤もつきもの。

せっかく足しげく通っていただいていたあの人も、

よく宴会で使っていただいていたあの人も、

結局は転勤になってしまうんです。

加えて景気も下降傾向で、何件かはしごするような人は減り、

大々的な送別会などは開催されないようになりました。

そうするとどうなるか、、、

なじみのお店の引継ぎがなされないまま、去っていかれるのです。

そしてその枠のお客様が減りますよね。

景気が悪くなっていくにつれ、売り上げにも陰りが見えていきました。

それでも長く続けられたのは

順調なころと比べると、売上が半分程度で衰退していきました。

良かったのは本当に、最初の数年程度ですね。

それでも店をたたむことなく続けていられたのには、理由が二つありました。

ひとつめは、変わらず支えてくれる近隣の常連様たちの存在です。

それはとても大きなものでした。

お取引先との会食や、上司との飲み会の後、

もうすっかりおなか一杯になっていても「〆の一杯」はうちで、

といってくださる方々に心身ともに支えていただいたと思っています。

もうひとつは借入金の額を極力抑えていたことで、

順調だった頃に返済が完了できていたことでした。

これがとても大きかったです。

毎月の家賃や仕入れに返済も残っていたら、

もっと早く店をたたんでいたと思います。

というか、借金を返せずに終わっていたと思います。

実際にやってみてどうだったか

最初にも書いたように、私はもともと飲食業に縁のない人間です。

自分自身も接客業には向いていないと思っていたので、

それまでのバイトや就職先に選んだこともなかったんですよね。

しかし、実際に家族経営としての飲食店をやってみて、楽しいこともたくさんありました。

性別も年齢も、職業もバラバラな人たちが自分の店で出会って、繋がっていく、

その輪の中に自分も入れる。

それまでの価値観ではなかったような体験で、楽しめました。

もちろん、私は経営側なので、ただ楽しむだけではない、苦労もたくさんありましたけど。

事業としてお勧め出来るか否か

最後に、これから飲食店を始めようと思っている人に。

大変なご時勢ではありますが、飲食店は私としてはおすすめの事業形態です。

私は、最終的には店をたたみ、現在はまったく違う仕事をしています。

ですが、今後、もしもまた縁があれば、小さなお店をやってみたいな、と考えています。

苦労はたくさんしましたが、得たもののほうが大きかったように思うので。

初期費用を抑えられる居抜き店舗はおすすめです。

業態が同じ居抜きを選べば、改装費用は抑えられますからね。

借り入れゼロで開業できるならばなおよしですね。

Mr.Tの考察

ということで、Aさんの話でした。

皆さんはこれを聞いて、どうお考えでしょうか。

初期投資の500万円は、飲食店開業費としては

まぁ普通なのではないでしょうか。

店舗を使った商売というのは、とにかく始めるのにお金がかかります。

僕の知り合いの話によると、知り合いの人がコロナ前に1億円かけてオープンした

原宿のお店が、今回のコロナの影響もあって、

ものの数か月で撤退することになったそうです。

一瞬で、1億円の大損確定です。

その人はお金持ちなので特に気を揉んではいないそうですが

Aさんも言っているように、転勤や景気など、

色んな外的影響で大損する可能性のあるのが

飲食店経営だと思います。

やはりAさんの言うように、

早いうちに初期投資を回収できるかどうかが分かれ目だと思います。

勝てる飲食店になるには

断言してしまいますが、初期投資は抑えられます。

大手が格安で美味しい料理を提供してくる中、

飲食店を始めるのに数百万円もかけてはいけない時代です。

ちなみに僕が開業したときにかかった費用というと、

たしか30万円くらいだったと思います。

何故そんなに安く始められるのかというと

多額な保証金が不要なところで、飲食店居ぬきだから。

お店にはるポスター、食器、ドリンクサーバー・・・

全て無料でメーカーから調達できることです。

飲食店経営において成功する要因、

それはつまるところ、「こだわらないこと」なんです。

飲食店というとなんとなく、格好良くしたくて店を構える人が多いですが

うまくやるには全て「戦略」が必要です。

それ以外、いらないとすら思っています。

自分のイメージを外装や店の味という「形」にするのではなく

施設の雰囲気に味やメニューを合わせていくのですね。

例えば、めちゃめちゃ古い、今にも(物理的に)潰れそうなお店の空きテナントがあったら

そこの施設がもつ古さを活かすことで、

老舗のような雰囲気に磨きをかけて

蕎麦や天ぷらを、高い価格で出せばいいのです。

「和風パスタ専門店」とかいって何となく自分で出来そうな料理を

メニューを絞ることで、高級感を演出すればいいのです。

狭い路地裏の分かりにくいお店しか借りれないのであれば

こだわりが感じられるカレー屋を出せばいいんです。

店舗運営はあくまで、お客さんがどう考えるか。

それに尽きます。

自分では適当に作っていたつもりでも

客に「あの店はこだわっている」と感じさせることが出来たのなら

それはあなたの勝利になります。

それでも飲食店始めますか?

これを考えることで、この飲食店が潰れまくる時代においても

決して失敗はしないと思いますが

基本的に飲食店は先ほども言ったように、コスパが悪い=薄利なので

何か事業を自分で興したいのであれば

そもそも別に、

飲食店経営にこだわるべきではないのかなと思います。

Aさんがいっているように、

楽しかった時というのは人との繋がりを感じた時や

自分の世界から出ていると感じた瞬間であって

決して儲かったときのことではありません。

飲食店が儲かる時というのは、

1日中行列が絶えないラーメン屋か、

多店舗で何十件も店舗を持った時のこと。

飲食店経営で稼ぎ続けるのは、難しいし、大変なのです。

そんなこと言ったって、それならどうすればいいのさ?

ということですが、

僕がもし今、何をやるべきか分からなくて

だけど自分で何か始めてみたい!と感じていたら

僕ならとりあえず「ネットショップ」でも運営してみると思います。

ネットショップならサイトによっては家賃不要ですし、

仕入れたものに賞味期限がないので、

例えすぐに売れなくても自分の財産になります。

商品を右から左に流すというシンプルな仕組みですし

やり方によってはアフィリエイト収入も入ってきます。

Amazonを使って海外まで販売を広げることも可能ですし

逆に海外から仕入れることも可能で、

仕入れを兼ねれば、海外旅行も経費になります。

何より、飲食店を始めるときにかかる500万円は一切かからず

返済がないので、1個売れたその瞬間から全て利益になりますからね。

ネットショップで売れるようになってきたら

実際に店舗を持って、倉庫兼店舗として

売上を伸ばしていくことも可能・・・。

家賃がない、借り入れがない、在庫は財産、世界中がターゲット・・・

借金もないので、失敗のしようがありません。

せいぜい、働いた分の時給がなかったという話だけで

そこで得た経験や学びは確実に、次の事業の礎となってくるので

人生全体においても有益となります。

もちろんですが、飲食店運営もいいですよ。

自分の手料理を喜んでくれたら、そりゃ嬉しいことですよね。

でも、その前に自分の生活費が厳しいと、不幸になります。

Aさんのように上手くいけば良いですが

人生色々あるので、一つ歯車がズレたら地獄ですから、

そのうち、精神的に辛くなりますよ。

それならという話ですが、

やりたいことは

稼げるようになってから、好きなようにやれば良いんじゃないですか?

商売をするのであればなるべく、借入が不要か、

もしくは返済した分も財産となるような形態でなければ

この時代は、例えば自宅の一室で展開できるような、

そんなビジネスをやっていきたいものです。

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